【前書き】

インターネットがまだ十分に普及していなかった時代、視聴娯楽はテレビや舞台、映画館がメインでした。
テレビを見ることが当たり前だった私の環境は、親の映画好きも相まって「金曜ロードショー」「日曜洋画劇場」などを見る機会が多く、当たり前のように映画好きになりました。
そして「ビデオテープ」というものが普及し、決められた時間でしか見れなかった映画が、好きなものを好きな時に好きなだけ見れる、しかも自分で録画も出来る世の中に。
夢中になりました。
レンタルビデオ屋さんに借りにいき、店頭処分品(レンタル賞味期限切れ判断品の格安販売)のワゴンセール品やビデオテープ販売店の中古品を吟味(当時純正のビデオテープ作品は30~60分作品が5千円前後、2時間前後の長編が1万5千円前後が普通で、中古品は500円~5千円位)。
また、録画できる地上波やBSチャンネル作品も吟味しながら録画していました(ビデオテープも安くはないため重ね撮りや録画を吟味して購入節約していた)。
時代は流れ、最盛期を誇った「VHS」ビデオのブームも落ち着き、新たに「DVD」「レーザーディスク」等の新生機器が誕生。
私もビデオテープ録画をしない時期に入り、DVDなどを鑑賞することがメインに。
この頃は多忙な時間に奔走し、録画することへの好奇心が無くなり「DVD」は市販品を鑑賞する事がほとんどだった。
そしてさらにインターネットがより一般化し、動画サービスが主流になり始めたころ、重い機器や場所をとる「物」として必需性を失った「DVD」や「ビデオ」は、処分へ。
「DVD」や「CD」、その再生機器は処分に踏み切りましたが、成人してから十数年間収集した「VHSビデオテープ」には深い思い出が残り、処分できずに保管することに。
保管を始めてから何度かそれが収められた「段ボール」と向き合う機会は有りましたが、すでに「ビデオデッキ」を処分していたこと、保存状態が悪く「カビ」が発生していたこともあり、「見て見ぬふり」を継続していました。

が、今回、保存していても観ないビデオテープの占拠率にいよいよ無駄を感じ、そろそろ処分に踏み切るかと思いテープを眺めた時、自分の青春の最大の思い出を、やはり処分することに踏み切れず、「修復」することを決意。
最初は業者に依頼を検討しましたが、私の保存数では数十万円掛かるうえ「ホームビデオ」では無いので、権利上の問題で請け負ってもらえない可能性が高かったため断念。
そんな経緯で自分で修復することに。

そして修復を始め、久しぶりに鑑賞した「VHSビデオテープ」には、何とも回帰的で楽しい映像が残されていたことか。
当時の俳優や声優、CM、現在では見れない作品、当時の画質など。
そんな私の「VHSビデオテープ」の記録と考察を、ここに記します。
懐かしさや新たな発見など、楽しく見ていただければ幸いです。